40代女性(中)夫以外の男性との出会い 揺れる思いに高まる欲求、そして…
yomiDr (ヨミドクター)コラム 2015年6月23日
発達障害の疑いがある夫に、心身のつながりを求めることを諦めた3~4年前、女性は、体のこりや痛みを和らげるために通い始めた整体院で、年下の男性鍼灸しんきゅう師に担当してもらって不思議な感覚を味わいました。
そこは複数の整体師が交代で施術をしてくれるところでしたが、なぜかその男性にだけは、触れられると、体がほぐれて涙まで出てくるのです。
「おなかのあたり、子宮のあるあたりががちがちに固まっていたのが、ゆるゆるとほぐれていく感じ。体の中でぎゅっと抑え込んでいたものが、漏れ出てくる感じでした。いつもその人に当たるとは限らないのですが、一時期、その人に触れてもらうために、そして、泣くために通っていた気がします」
マッサージを受ける度に、涙が止まらなくなる女性に、その男性鍼灸師は、子どもにするように、頭をなでて笑ってくれました。突っ込んだことを聞くこともなく、軽い世間話を交わすうちに徐々に距離は縮まりました。彼は、たまに、からかうように体をこちょこちょとくすぐり、「しばらく彼女いないんですよ」と気になる言葉を挟みます。
その後、フェイスブックで友達になり、家族が寝静まった夜に、二人でチャット(文字での会話)を長時間楽しむようになりました。「もう、ちゃんと勃(た)つ自信ないなあ」などと性的な言葉をたくさん織り交ぜるため、女性はドキドキしていました。
同時期に、女性は心身の調子を整えるために、昔やっていたヨガを再開していました。やはりそこでも、先生に触れられ、的確に体がほぐされていくと泣けてきます。
先生に、「家族で一緒に練習すると、いいんだよ」と言われ、夫も誘ってしばらく一緒に通ってみました。しかし、夫とは、先生と体が密着するときに感じる安心感はなく、思わず体を離してしまうような違和感がありました。
「夫は私の何かを遮るんですね。ヨガを一緒にやっていても、『ああ、この人とは無理なのかもしれない』と感じていました」
そんな時に出会った年下の鍼灸師。昨年ごろから、マッサージの時に、胸をさりげなく触られるのを感じていました。
その度に、体の奥が強くうずきます。最初は勘違いなのかと思っていた女性でしたが、2回、3回と胸に触れられることが続き、ほかの客がいない時に、男性に尋ねました。
「私はあなたに触ってもらうとすごくうれしいんです。でも、あなたはどういうつもりなの? 体が反応して困るんです」
男性は悪びれずにこう言いました。
「ああ、ごめんなさい。面白いかなと思ったんだけど」
女性は戸惑いました。(きっとこの人は自分にこういうことをしてくるぐらいなのだから、ある程度の好意は持っているはず。チャンスがあったら踏み込みたいけれど、相手が人妻だと思って、ちょっかいを出しているだけなのかもしれないし――)
夫に対する思いは、驚くほど冷めてしまっていました。まじめに仕事をして、経済的に安定はさせてくれています。
でも、精神面、肉体面では満足できません。家族としてはやっていけるかもしれませんが、夫として、パートナーとしては役割を果たしてくれていないのではないかと思いました。(以下省略)